内閣府所管 公益財団法人 日本教材文化研究財団

平成19年度 【特別刊行物】
『生かす算数・生かす数学シリーズ』

小学校編の特色

本教科書シリーズでは,数学教育のねらいを「数学を用いて事象を数理的に把握し,数学を用いて問題解決ができる人間を育てる」ことにおいている。小学校では,その基礎となる数・量・図形の概念を豊かに育てるとともに,算数を発展的・創造的に学習させることを通して,算数のよさや楽しさを味わえるようにすることを大事にした。

  1. 教具として,電卓とそろばんを適宜用いることにした。そろばんの仕組みは十進位取り記数法と同じなので,数を理解する意味でも数感覚を育てる意味でも1年生から用いる。電卓は,4年生以降,計算がある程度確実になった段階で適宜導入する。電卓に関連して,数の見積りや数の感覚を育てることも大切にした。
  2. 計算で扱う数の桁数を,数の拡張にともなって増やすことにしたが,それは,桁数の多い計算をすることにねらいをおくわけでなく,数および記数法の理解に役立てることをねらいとしている。
  3. 小数と分数を関連づけて扱うことにした。本来,小数と分数は有理数を表す方法であり,同じ数の違った表現にすぎないのであるが,これまで違ったものと見させすぎたきらいがある。関連づけて学習させることにより,分数を数として理解しやすくなるだけでなく,計算の方法などを考える際にも役立てることができ,創造的な学習ができるようになると考える。
  4. 第6学年では,計算の可能性に関連して負の数を導入した。
  5. 数量関係領域の内容は,独立した単元を設けて学習させるのでなく,他の領域と関連づけて扱うことを基本にした。たとえば,□を用いた式,文字を用いた式などは,数と計算の領域や量と測定の領域の学習の中に組み入れた。