内閣府所管 公益財団法人 日本教材文化研究財団

研究紀要 第39号
特集:習得・活用・探究型学力の育成と評価の理論

授業構成の論理から見た中学校社会科の指導のあり方に関する提案
─ 単元 身近な地域の調査「廿日市市の場合」 ─
迫 有香 広島県廿日市市立大野中学校 教諭
I はじめに
II 授業力について
III 中学校社会科地理的分野 単元 身近な地域の調査「廿日市市の場合」
IV おわりに

I はじめに

学習指導要領の改訂を受け、教育現場では改訂の方向性に即した授業改善が行われている。

本小論では、中学校社会科の領域で、授業力のある教師の授業とはどのようなものであるかを、これまでの優れた研究者達が提唱してきた授業構成の論理から、題材を地理的分野の単元身近な地域の調査を一例に考えていきたい。その際、A「生徒に社会的な見方や考え方を育成すること」に力点を置いたもの、B「生徒が地域社会の形成に参画する態度を育成すること」に力点を置いたものの二つの単元構成案を提案し、A・B両者の良さを兼ね備えた単元構成案Cを提案したい。

II 授業力について

中央教育審議会答申(平成21年)「新しい時代における義務教育の在り方について(審議のまとめ)第・部各論第2章教師に対する揺るぎない信頼を確立する─教師の質の向上─(1)あるべき教師像の明示」では、優れた教師の条件として・教育の専門家としての確かな力量が示されている。

この確かな力量とは、「具体的には、子ども理解力、児童・生徒指導力、集団指導の力、学級作りの力、学習指導・授業作りの力、教材解釈の力などからなる」とされている。

広島県では、平成17年に、「求められる教職員像」が示され、その中で、新たな「教育県ひろしま」の創造に向けて特に求められる事項として、「確かな授業力」があげられている。

中央教育審議会答申(平成20年)の中学校社会科の改善事項では、「基礎的・基本的な知識、概念や技能を習得し、社会的事象の意味、意義を解釈する学習や、事象の特色や事象間の関連を説明する学習を通して、社会的な見方や考え方を養うことを一層重視して改善を図る。」と提言されている。

今年度(平成21年度)は、学習指導要領の改訂に伴い、各学校現場では、授業改善を図るべく一人一人の教師が模索している最中である。特に中学校社会科においては「社会的な見方や考え方を育成できる授業となっているか」が再考され、様々な研究紀要の中でも主題として設定されるキーワードのひとつとなっている。しかし、それら「見方や考え方の育成」を目指した授業改善例を読むと、生徒が持つ既存の理論の修正を一つの事象でのみ行わせるにとどまる例が少なくない。また、見方や考え方を育成することは達成できているが、学習指導要領に述べられている社会参画を行う態度の育成が可能な授業なのか、知識の習得にとどまっている例も少なくない。

社会的な見方や考え方を確実に習得させ、それを活用して他の事象を説明できるか。そもそも社会的な見方や考え方を習得させる段階で、反証材料となる他の事象を用いて説明できるか。自らの授業を通して、いかにしてこの二つの説明を生徒が行うことができるようになるかが、中学校社会科の授業力をはかる指標の一つになると考える。また、社会的な見方や考え方を習得し、社会に参画する資質を育成できる授業を行っているかかがもう一つの授業力の指標といえるのではないかと考える。

1「社会的な見方や考え方」の必要性

中央教育審議会答申(平成20年)の中学校社会科の改善事項では、「基礎的・基本的な知識、概念や技能を習得し、社会的事象の意味、意義を解釈する学習や、事象の特色や事象間の関連を説明する学習を通して、社会的な見方や考え方を養うことを一層重視して改善を図る。」と示されている。

また国立教育政策研究所(2003)「平成15年度教育課程実施状況調査教科別分析と改善点(中学校・社会)」における改善点として次のようなものがあげられている。

(1)地理的分野
イ 地理的認識の基礎・基本となる知識の確実な定着
「日本や世界の地理的認識を深める上で必要不可欠な地理的知識が、十分に身に付いていない状況がみられる。」
ウ 生徒が意欲を高め、成就感を得られる調べ学習の工夫
「調査結果を発表し合って調べた事柄を関連付けたりして、生徒が調べ学習に意欲的に取り組み、成就感を得られるような配慮を加えた指導をさらに工夫していくことが求められる。」
(2)歴史的分野  
ア 歴史的事象の考察を通じて基本的な知識を定着させ歴史の大きな流れをとらえさせる学習指導案の充実
「歴史の大きな流れと各時代の特色をとらえる力や、社会の大きな変化にかかわる知識が、十分に身に付いていない状況がみられる。」
(3)公民的分野  
ウ 見方や考え方を形成する基本的な概念を身に付けさせる学習指導の工夫
「政治や経済の基本的な概念が十分身についていない状況がみられる。政治や経済の基本的な概念は、抽象的であるため、それを言葉として学ぶだけでは実生活において生きて働かせることも、見方や考え方として身に付けることもできない」「抽象的な概念に対応した具体的な事例を教材化して追究させる指導の工夫などが考えられる」

公民的分野では、はっきりと見方や考え方を形成する基本的な概念を身に付けさせる学習指導の工夫が必要だと述べられている。また、歴史的分野では、歴史の大きな流れと各時代の特色をとらえる力等に課題があると述べられている。つまり、公民的分野では、授業が、抽象度が高く、生徒の生活経験や既存の知識から距離の遠い理論(概念)注入型の授業となり、わかりにくくなっており、歴史的分野では、様々な歴史的事象を学んでも、だからどうしたの?現代を生きる生徒である(私)と何が関係あるの?と感じさせてしまい、「事実詰め込み型」の授業に陥っているということであると考える。

地理的分野では、調べた事柄を関連付けることが必要だとされている。調べた事象や分かった事象を関連付けないから、何のために調べ学習をしているのか生徒は分からなくなっているのではないかと考える。

また調べた事象や分かった事象を関連付けないから、一体その事象自体がどのような意味や意義を持つのかわからないという状態に陥っているのではないか。その結果、地理認識のための基礎・基本となる知識そのものも定着していないのではないだろうか。つまり、「事実詰め込み型」にもなっておらず間違った方法主義の授業の状態だと言えるのではないか。こうした中学校社会科の現状を解決するための授業として、「社会的な見方や考え方」を養う授業が求められている。

2 「社会的な見方や考え方」とは

「見方や考え方」という記述は、中学校学習指導要領解説社会編(平成20年)(以下「解説」とする。)では、地理的分野と公民的分野において具体的に示されている。

地理的分野では、分野の目標(1)に次のように示されている。

(1)日本や世界の地理的事象に対する関心を高め、広い視野に立って我が国の国土及び世界の諸地域の地域的特色を考察し理解させ、地理的な見方や考え方の基礎を培い、我が国の国土及び世界の諸地域に関する地理的認識を養う。(下線は稿者による)

これを踏まえ、前回改訂時に整理されたことに配慮しながら、以下のように改めて地理的な見方や考え方が整理された。

公民的分野においては、分野の目標(2)に次のように書かれている。

(2)民主政治の意義、国民の生活の向上と経済活動とのかかわり及び現代の社会生活などについて、個人と社会とのかかわりを中心に理解を深め、現代社会についての見方や考え方の基礎を養うとともに、社会の諸問題に着目させ、自ら考えようとする態度を育てる。

これを踏まえ、「解説」では「現代社会についての見方や考え方」の「見方や考え方」を次のように示している。

「見方や考え方」とは、現代の社会的事象を読み解くときの概念的枠組みと考えることができる。

歴史的分野においては、「社会的な見方や考え方」という記述はないが、歴史的分野の内容の取扱いイに次のように示されている。

イ 歴史的事象の意味・意義や特色、事象間の関連を説明したり、課題を設けて追究したり、意見交換したりするなどの学習を重視して、思考力、判断力、表現力等を養うとともに、学習内容の確かな理解と定着を図ること。

歴史的事象をどのような見方で説明し、どのような考え方で説明するかという点については、歴史的事象をその時代特有の歴史的事象としてのみ捉えさせるのか、歴史的事象を現代社会にフィードバックして捉えるのかなどの考え方があるので、分野特性は地理的分野や公民的分野とは異なる。換言すると、時代を超越した理論で説明できる見方や考え方もあれば、その時代の特性としてしか説明できない見方や考え方があると言える。厳密にいえば地理的な見方や考え方と現代社会についての見方や考え方も異なる。

しかし、それぞれの分野の特性に鑑みても、事象そのものの説明に終始することなく、事象間の関連から事象の意義を再検討したり、事象間の関連から導き出される概念や一般法則に気付かせたりすることが重要ではないかと考える。では、「社会的な見方や考え方」とは何か。森分孝治氏(2000)は、「社会的なものの見方考え方とは、理論的知識のことである。それらをもっておれば、様々な社会的事象の意味を読み解いていくことができる。理論的知識が身に付いて生きて働く知識となるためには、子ども自身によって発見、創造されねばならない。なるほどそういうことなのかと理解し納得されなければならない。そうするときはじめて多くの事象を説明し予測する力となる。」1)と説明している。つまり、「社会的な見方や考え方」を養う授業とは、理論的知識を育成する授業であり、理論を習得させる授業であると言える。

3 生徒に授業の中で社会的な見方や考え方を養うための授業とは

森分氏(1997)は、思考力を「事実的思考・理論的思考を、より広く、より深く、より正確に、すなわち、より多面的に、より体系的に、より事実に一致するしかたで行っていく力である。」2)とし、その育成の基本原則を明示している。


―思考力育成の基本原則―
原則1 社会科の授業・学習は子どもに思考を、事実的思考か理論的思考を求めるものでなければならない。思考力は、思考させることによってしか育成することはできないので、子どもが思考できるように授業を構成しなければならない。
原則2 内容的により質の高い思考を行えるように手立てを尽くして達成できる、より高い目標を設定しなければならない。
原則3 個々の子どもが追思考できるように、集団思考=学習の過程を組織しなければならない。

―思考力を育成する授業構成―
  事実的思考 理論的思考
@学習課題に迫る下位の問いと答えを設定しなければならない。問いと答えは、子どもが納得でき、その流れ・展望を頭の中でフォローできるものでなければならない。
A答え=仮説を吟味できる資料を準備しなければならない。
段階1 「思考の対象」から授業・学習の主題を設定する 子どもに発見・習得させたい理論を設定する
段階2 「思考によって明らかにされる、事象についてわかりたいこと」を授業・学習の目標として設定する。 理論の典型的事例である事象を選択する。
段階3 目標に対応して「思考を求める問いの基本型」を選択し、子どもが自分の問いとして探求できる形にして学習課題を設定する。 選択した事象について、解答する上で当の理論を必要とする問いを設定する。
段階4   3の問いが答えられた後に、他の事例について同様の問いをたて、説明させる。 (反証過程)

4 「説明」とは

学習指導要領改訂の論拠の一つとなった2000年及び2003年のPISA調査の結果に基づいて、文部科学省が作成した「読解力向上に関する指導資料(案)」の改善の方向において、中学校社会科の事例では、次のように示されている。

改善の方向 ア(ア)目的に応じて理解し、解釈する能力の育成
(留意点)諸資料を基に、思考し判断するとともに、自分の考えた解答が正しいことを根拠を挙げて説明することを求める。(下線は稿者による。)

この改善の方向ア(ア)以外でも、ア(イ)に次のようにある。

改善の方向ア(イ)評価しながら読む能力の育成
与えられたテキスト(連続型テキスト・非連続型テキスト)について、主張の信頼性や客観性、科学的な知識や情報との対応、引用や数値の正確性、論理的な思考の確かさ、目的や表現様式に応じた表現法の妥当性など、様々な幅広い観点から評価しながら読む能力を育成することも大切である。(下線は稿者による。)

読解力向上に関する上記改善の方向ア(ア)・(イ)からも、「説明」や論理的思考の重要性などがあげられている。「解説」(平成20)の公民的分野3内容の取扱いウにも次のように書かれ、説明することが「言語活動の充実」という視点からも求められている。

ウ 分野全体を通して、習得した知識を活用して、社会的事象について考えたことを説明させたり、自分の意見をまとめたりすることにより、思考力、判断力、表現力等を養うこと。また、考えさせる場合には、資料を読み取らせて解釈させたり、議論などを行って考えを深めたりするなどの工夫をすること。

日本国語大辞典には、「説明とは、@ある事柄の内容・理由・意義などを、よくわかるように述べること。解説。A哲学で、ある現象が因果関係によってある法則に従うことを推論によって示すこと。理論を確定したり、一般命題を立てる手続き。」3)と書かれている。言語上の意味と、社会科の学習で行う「説明」とに大きな違いはない。違いがあるとすれば、「何を」説明するかということと「どのように説明するか(説明の大きさ深さ)」ということにおいてである。

中学校社会科の授業で育成する「社会的な見方や考え方」を習得するための「説明」と「社会的な見方や考え方」を活用して他の事象を「説明」することは、言語上は同じと言えるが、説明の大きさ(説明できるものの範囲)や深さが異なる。習得段階では、生徒の常識や生活知を根拠とした「説明」も当然行われるであろうし、背景にある社会構造や理論が何かがはっきりとわからないけれども何となくそうじゃないかと行われる「説明」もある。反証過程で吟味を行う際の「説明」は、理論に依拠した「説明」として背景にある根拠が明確に示された「説明」となり、前者の説明とは異なる。社会科において表現力の育成に関しては、この「説明」する力を生徒がどの大きさや深さから行うことができるようになるかが問われているのである。

言語活動の充実が全教科・領域に求められていることを誤解した授業者が言語活動という新たな方法知に傾いた授業を行ってしまい(様々な形式でレポートを書かせることに終始する授業、議論に終始する授業など)、国語科の授業なのか社会科の授業なのかわからなくなる可能性も、内容教科である社会科の「説明」の論理を再考することでなくなると思われる。「言語活動の充実」や「読解力」を社会科の教科目標の達成を脇に置いて考えるのではなく、社会科の授業を通して、生徒がどの大きさや深さの「説明」ができるようになったかを考えることは、社会科の授業力の質的向上を図ることは勿論のことながら、全教科・領域を通して生徒に育成しようとしている「読解力」等の育成に社会科の授業は大きく貢献できるものと考える。

5「社会科における説明の意義」としての「科学的説明」とは

社会科における「説明」とは、「近代社会科学の方法原理であり、社会科を社会科学科としてかたどる際の原理となるもの。また、子どもにとってより意義があり、客観的に根拠づけられた授業を構成するための方法原理でもある。社会科は問題解決や意思決定、行動の基盤となる事実の正しい認識のみをねらいとすべきである。そして、科学的説明を原理とするとき、そうした教育を実現できる、というのが説明主義の立場である。」4)と述べられている。

生徒に科学的理論を見方考え方として習得させることは、生徒が科学的説明を行うことができるようにすることであると言える。森分氏(1997)曰く、生徒が、「説明できれば、理論が子どもの見方として習得されている」5)と言える。

生徒が授業を通して科学的説明を、行うことができるようにするためには、ではどうすればよいのであろうか。結論は、上記の探求の論理で授業を構成し、社会的事象の科学的説明を求める問いをたてることである。

「科学的であること」について、森分氏は、次の三点すべてが言えるか否かということ述べている。

 一つに、多くの事象・出来事を説明できること。
二つに、事実に一致する確率が高く説明できること。
三つに、批判可能・反証可能で、現時点において厳しい批判・反証に耐えることができること。

こうした「科学的」な説明を求める問いには、四種類あると説明している。6)

 一つに、「なぜ」(「なぜ・・・であったか」「なぜ・・・であるか」など)である。
二つに、「どうなるか」(「・・・であったが、どうなったか」「・・・であると、どうなるか」など)である。
三つに、「何」(「・・・は何であったか」「・・・は何か」など)である。
四つに、「いかに」(「いかに・・・しかたか」「・・・はいかになっているか」など)である。

これまでの森分氏の説明にあるように、社会科の授業において「社会的な見方や考え方(概念・理論・法則)」を習得させることとは、生徒が科学的な説明を行うことができるようにすることである。

6 生徒が授業の中で社会参画を行う基礎を養うための授業とは

中学校学習指導要領では、以下に授業構成案を提案する単元・身近な地域の調査について次のように示している。

身近な地域における諸事象を取り上げ、観察や調査などの活動を行い、生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めて地域の課題を見いだし、地域社会の形成に参画しその発展に努力しようとする態度を養うとともに、市町村規模の地域の調査を行う際の視点や方法、地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身に付けさせる。

この単元では、中学校社会科地理的分野の最後の単元としてこれまでの学習の成果を生徒が活用し、「地域社会の形成に参画し、その発展に努力しようとする態度を養う」ことが求められている。

では、生徒に「地域社会の形成に参画し、その発展に努力しようとする態度を養う」ための授業を行うために、どのような授業構成を行えばいいのだろうか。

結論は、「理解」を原理とする授業を構成することであると考える。「理解」とは、社会を認識させるためには、人間の問題解決的行為の過程を体験・追体験させることを通して、人間の働きを共感的に理解させることが必要であるという考え方である。次の五段階の理解の内容の習得が目指されると小原友行氏(1995年)は指摘している。7)

@事実の正確な理解 人間がどのような問題状況でどのような行為を行い、その結果はどうだったのかの事実
A目的論的理解 事象を生み出した人間の問題解決的行為の目的(願い・意図・動機)と手段・方法(工夫・努力・苦心・苦労・協力)
B社会的意味の理解 問題解決的行為の結果としての人々の生活の維持・向上・発展
C歴史的意義の理解 問題解決的行為が次の時代や現代の人々の生活の維持・向上・発展に果たした役割
D特性・特色の理解 人間の行為によって生み出された地域・時代・文化などのすぐれた個性・特色

人間の問題解決的行為の追体験を認識の方法として授業を構成した場合、子どもの自主的な知識の習得、認識の形成が可能となる。

認知心理学では、人間の態度を決定する人間の心の働き(思考過程など)は「意識化不能な領域」「意識化努力によって意識化可能な領域」「意識化可能な領域」の三領域に分けられるとしている。人間の「問題解決過程」は、二つ目の「意識化努力によって意識化可能な領域」に分類されている。授業の中で、人間の問題解決的行為の追体験させることによって、生徒自らの問題解決案と対象となる人間の問題解決的行為の距離を確認することができる(いわゆるメタ認知)。その結果、生徒の「意識化努力によって意識化可能な領域」と「意識化可能な領域」は成長する。但し、「意識化不能な領域」は何らかの刺激を受け、成長するかもしれないが、客観化することは難しい。「地域社会の形成に参画し、その発展に努力しようとする態度」を生徒に養おうとする場合、「地域社会の形成に参画し、その発展に努力しようとする態度」を行っている人物の具体的な問題解決過程を追体験させることによって、それが可能となるのではないか。

III 中学校社会科地理的分野 単元 身近な地域の調査「廿日市市の場合」

1 本単元の指導にみられる問題の所在

以下に、本小論で取り上げる単元に関してこれまでの実践にみられる一つの問題を明らかにしたい。

次の各表は、前学習指導要領下である、平成19年8月に廿日市市内の中学校10校に勤務する社会科教師を対象に行ったアンケート調査集計結果である。授業改善を行うに際し、身近な地域の調査という単元の指導について、現在の廿日市市内の中学校10校に勤務する社会科教師は何を課題としていたのか。実際にどのような授業を各校で行っていたのかをアンケート調査を通じて問題の所在を明確化した。このアンケート結果より問題の所在を以下に述べたい。

アンケート調査内容
質問1
単元「身近な地域の調査」の配当時間数は?
質問2
いつ実施しますか?
質問3
単元の主要テーマは?
質問4
どんな資料を使用していますか?
質問5
実践の悩みについて@時期や時間数についてA生徒の実態に関して
質問6
先生が廿日市市の市長になったとしたら、どのような産業を盛んにしようと思いますか?その理由もつけてお答えください。
質問1〜3の回答
  質問1 質問2 質問3
学校 時間数 実施学年・時期 単元の主要テーマ
5時間 1学年
1学期6月
「廿日市市を知ろう」
6時間 1学年
2学期10月
「廿日市市の魅力を調べよう」
2時間 1学年
2学期11月
 
7時間 1学年
1学期6月
「廿日市ってどんなまち?」
4時間 1学年
1学期7月
「廿日市市を調べて地図にしよう」
10時間 1学年
2学期9月上旬
宮島と他の市町村との比較〜地形・自然・伝統文化・観光・歴史・農業・工業・水産業の視点から〜
5時間 1学年
1学期6・7月
「廿日市市をもっと知ろう」「廿日市市ってどんな町だろうか?」(気候・位置・産業などを調べまとめる)
11時間 1学年
2学期9月下旬
宮島を中心に廿日市市の町づくりの特色を考えよう。〜宮島の町並みの変化と宮島から見える廿日市市の変化を調べ、廿日市市の町づくりと宮島の景観を守る工夫を考える〜
3時間 1学年
1学期7月
縮尺・地図記号などの学習
9時間 1学年
1学期6・7月
2学期9月
「大野について調べよう」通学路・大野全体の地図の完成・地図記号・縮尺・地形図・大野から廿日市市へ視点を広げよう

質問4の回答
学校 使用している資料
A 広報はつかいち 廿日市市統計書 県西部の地図
B 新旧の地形図
C 地形図
D 2万5千分の1地形図「廿日市」 国土地理院航空写真 廿日市人口統計 わたしたちのまち廿日市(小学校副読本)
E 伊能忠敬 地図コンテスト作品集
F インターネット 図書室や図書館の資料 地域の方 企業や市役所へのインタビュー
G 図書室(市役所の)本(関係するもの)を生徒に探させる
H 地形図 廿日市市・宮島町・大野町・大竹市50年史 インターネットの地図 ご近所へのインタビュー
I 教科書 ワーク
J 地形図 インターネット 大野町史

質問5の回答
学校 実践上の悩み(時期や時間に関して) 実践上の悩み(生徒の実態に関して)
A フィールドワークの時間がとりにくく,資料や地図上でのみの学習になりがち 特になし
B 特になし 特になし
C 時間がない 入試に結びつかない
D 野外調査ができていない。まとめて時間がとりにくい。入学後2ヶ月で基礎的な力(地図・資料の利用の仕方など)をつけるには適当だと思う。 実写(写真やビデオなど)はわかりやすいが,地図やグラフを理解する力がついていないと考える。
E 調査を授業中でとっておらず,またせっかく作成した地図なども生徒に還元する時間がない。 調査・まとめが個別課題のため,実践内容に差がある。
F 9月に実施。図書資料が限られていたり,古くて新しい情報をインターネットにたよりがちになることが難しい点です。 生徒はインターネットを使って調べることは大変得意としており,情報を深く調べ精査するということがあまりできず,一面的になりやすいので教師の側が多くのカードを持っていないといけないので生徒が設定するテーマの授業ではなく教師がテーマを設定している。
G 書物で調べて実際のフィールドワークをするのに,監督者,時間などの調整がつかず各クラスばらばらに実施しました。大変でした。 生徒は書物などからよく調べ,フィールドワークでもルールを守り,よく調べていました。
H 9月下旬から11時間を予定。そのうちフィールドワークは3時間程度か? 生徒は郊外学習を得意としているが,むしろこちらの教材研究に課題がある。じっくり教材研究する時間がない。
I 身近な地域の学習に時間がとりにくい。 小学校では大野のことについて学習しており,素地はできている。
J フィールドワークの時間が捻出しにくい。 小学校で学習しているものの,縮尺計算や地図の読み取りの個人差が大きい。地形図・縮尺計算の習得を徹底させていると本題のテーマに入りづらい。

質問6の回答
スポーツ・文化施設の充実
埋立地を利用し,小中高生が活用できる場をつくる
地域による特徴があり,総括的な結論は出せないが,宮島・吉和地域は観光業(世界遺産と自然)大野地域は観光(特産の牡蠣と温泉をいかす)佐伯地域は観光(自然と農業をうまくミックス)旧廿日市地域は商業。性格としてはベッドタウンとなっており,住みやすさを追求して道路整備と商業施設の充実をはかる。
工業。地場産業の木材を考えていけばよい。
電気産業(IT産業)の工場を誘致して盛んにする。理由は自然豊かな土地が多い(大野・佐伯)人口が多く,知的資源が確保しやすい。製鉄・石油化学に対応できる港がない。交通(高速道路が多く)輸送が便利なため。
宮島や佐伯・吉和などを中心に観光産業を盛んにしていきたい。宮島の世界遺産と吉和地域の自然をテーマにした産業作りでスローライフを売りにしていくとよいのかな?と思います。手を加えた人工的な観光地ではなく,石見銀山のように手付かずの自然を生かしていくような観点が必要ではないかと思います。
観光業。理由は大野町・吉和地域の合併に伴い,観光スポットが旧廿日市に比べると増えたので。
観光スポット,レジャー施設が点在していることを考えると,観光面に力をいれていくといいと思います。また廿日市の伝統工芸ともいえる木工業を活性化させ,林業など伝統産業に力を入れていくと思います。
高齢化社会を見据えて福祉産業に力を入れたい。お年寄りやこども,障害のある方が安心して住める町づくりをコンセプトとしたい。世界遺産宮島を中心とした観光を核に,木材段との見学と体験や吉和地域での自然体験などを組み合わせた観光産業もさかんにしたい。

上記アンケート結果から以下の課題があげられる。

@単元の実施時間数に大きな学校間格差が見られる。
A小学校3・4年生を対象とした社会科の副読本「はつかいち」を見ると、廿日市市内の小学校校区が非常に詳細にまとめられていて、廿日市市内の小学校の担当教諭は、年ごとにデータを最新化したり授業展開を児童実態に合わせて工夫するだけで、共通の授業展開を行うことができる。そのような授業開発が@でも述べたように中学校では行われていない。本単元に関する過去の諸研究での配当時間が全14・15時間という単元開発で、研究とすれば秀逸しており研究開発そのものは意義深い発表であったが、実際に他の学校に還元し再現しづらいという課題がある。具体的には時間的に「身近な地域の調査」に14・15時間も果たして時間を捻出できるのか。研究指定などがある学校とない学校とでは再現できない内容もあるなどの課題である。
B縮尺計算・地形図の見方等の地理技能に終始してしまう傾向があるという課題がある。
Cフィールドワーク・調査・観察活動が時間的にまた方法的に難しいという回答数が多い。無理のない形で、なおかつ学習者に社会科の力をしっかりと身につけさせるための単元開発が必要であることがわかる。(実践上の課題及び教育内容開発の問題)
D総合的な学習の時間や小学校の社会科とのちがいはどこなのかが明確化されていない。
E生徒主体の調査活動といっても、インターネットに頼り気味の傾向が見られる。以前、提案者が学習開発を行った授業『地方自治』で実際に学習者と「インターネット」「新聞各紙」の両者で『合併』という言葉そのものや『なぜ合併が行われているのか』などについて情報収集活動を行った。まず最初にインターネットを使用して合併について調べてみたが、学習者は呆然とした。なぜならば、『合併』という言葉で検索したところ、約55,000,000件も検索結果がでてきたのである。「合併 理由 メリット デメリット」などというようにどんどん絞り込んでいくとある程度見通しを持たせることができた。インターネットは一度に多くの情報を得ることができる有用性があるが、同時に学習者が学習課題に対する情報を絞り込みにくい状況を生むことがあることがわかった。これでは「でたとこ勝負の授業」「まるなげ授業」に陥ってしまう可能性が高い。このような授業では当然評価の指標がないという無責任な授業になってしまう。
F学習指導要領に設定されている目標を達成すべく各実践者が毎時間の授業を工夫して行っていることは事実であるが、アンケート結果からは、入試問題との関連を意識することそれ自体は問題ではないが、意識するあまり本来の単元の目標が十分に達成できていないように思われる。
G廿日市市の中学校で、本単元を実施する際に、「廿日市市」を身近な地域の題材に必ずしもしなければならないという規定はないが、学習のテーマや実施時間数を見ると、果たして生徒はこれまでの学習を通してどのような内容知と方法知を獲得したのかが分かりづらい。
H廿日市市や中学校校区を中心とする身近な地域の学習を通して、どのような見方や考え方(理論)を生徒が習得したのか、廿日市市の学習を通して習得した見方や考え方を活用して、何が説明できるようになっているのかが分かりづらい。また、そもそも「説明」を原理とした理論探求型の授業構成として成立しているのかどうかは、このアンケート結果からは見えてこない。同時に、「理解」を原理とした問題解決型の授業構成かどうかもよくわからない。H校では、景観を守るための工夫についてというテーマ設定が読み取れるので、景観保護を起点とした問題解決学習であることが推測できるが、その他の授業は、上記した通り、生徒が何を「説明」できるようになった授業なのか、何を「理解」することができるようになった授業なのかが不明確である。アンケート調査の課題かもしれないが、何をどのように教えていけばいいのか、どのような授業構成をなぜ行うのかなど、現行学習指導要領下で実施していた現場の教師が共通して悩める単元であったといえるのではないだろうか。

上記のような状況の中で「身近な地域の調査」をどのように開発し、実践していくか、これが問題の所在である。


宮島

四季が丘団地

吉和・めがひらスキー場

牡蠣養殖

2 学習指導案

1 学年
第2学年
2 単元名
身近な地域の調査「廿日市市の場合」―生活知や常識を起点として―
中学校社会科地理的分野の内容(2)エ
3 単元目標
身近な地域における諸事象を取り上げ、観察や調査などの活動を行い、生徒が生活している土地に対する理解と関心を深めて地域の課題を見いだし、地域社会の形成に参画しその発展に努力しようとする態度を養うとともに、市町村規模の地域の調査を行う際の視点や方法、地理的なまとめ方や発表の方法の基礎を身に付けさせる。
4 単元の評価規準
ア 社会的事象への関心・意欲・態度
イ 社会的な思考判断
ウ 資料活用の技能・表現
エ 社会的事象についての知識・理解
1)身近な地域「廿日市市」の景観などに対する関心が高まっている。
2)身近な地域「廿日市市」の地理的事象から見いだした課題を基に身近な地域の特色をとらえ、地域社会の形成に参画しようとしている。
1)身近な地域「廿日市市」の地理的事象を基にして設定した課題を、地域の環境条件や他地域との結び付きなどと人間の営みとの関りに着目して多面的・多角的に考察している。
2)市町村規模の地域的特色をとらえる課題を探求するための視点や方法を考察している。
1)身近な地域「廿日市市」の特色を探求し、地形図やグラフ・統計などを読み取り、考察した過程や結果を図式化したり報告書などにまとめたり、発表したりしている。
2)発見した概念的知識「住宅都市」「国際観光都市」を踏まえて、身近な地域「廿日市市」がよりよい都市になるにはどうすればいいか、地域社会に参画する一市民として意欲的に考察し、提言している。
1)概念的知識「住宅都市」「国際観光都市」を発見している。
2) 地形図・統計・縮尺計算・グラフの読み取り、表現方法の前提となるSWOT分析などの活用方法を理解し、その知識を身に付けている。
5 単元について(教材観)
(1)中学校学習指導要領における位置付け
本単元は、中学校学習指導要領(平成20年)地理的分野の内容(2)エ 身近な地域の調査に基づき設定した。本単元「身近な地域の調査」は、学習指導要領の改訂により地理的分野の最後の単元として、世界と日本の様々な学習をしたあとに位置付けられた。このことで、既習知識、概念や技能を活用するとともに、地域の課題を見いだし考察するなどの社会参画の視点を取り入れた探究型学習を地理的分野のまとめとして行うように変更された。
では、教材となる「廿日市市」とはどのような市であるかを以下に述べたい。
(2)教材「廿日市市」について
@自然環境
廿日市市は、広島県西部に位置し、日本三景安芸の宮島をはじめ、中国山地を背景に広がる自然豊かなまちである。県下13番目の市として昭和63年4月1日に市制を開始した。
自然環境は、瀬戸内海式気候に属し、冬季は乾燥するが、年間を通じて温暖で、降水量は6、7月の梅雨時に多くなっている。
A人口フレーム
「廿日市市」の人口は、これまで、広島市を中心とした広島都市圏の発展に伴う受け皿としての役割を担い、増加傾向で推移してきたが、平成17年以降は、減少傾向に転換した。我が国が人口減少時代を迎える中で、広島都市圏においても、同様な傾向で推移することが想定され、「廿日市市」においても、これまでのように、住宅開発を背景とする人口増加を想定することは難しい状況である。
そうした状況を踏まえ、「廿日市市」は、定住を推進する魅力あるまちづくりを総合的に進め、できるだけ人口減少を抑制するとともに、子育て世代をはじめとする流入人口の増加を促進し、現状人口の維持を図ることを目指している。
  廿日市地(人) 佐伯地域(人) 吉和地域(人) 大野地域(人) 宮島地域(人)
大正9年(1920) 10,291 9,613 2,545 6,008 3,937
昭和5年(1930) 11,386 9,301 2,096 7,108 4,617
昭和15年(1940) 12,590 8,797 2,464 8,021 4,629
昭和30年(1955) 19,050 12,561 2,543 10,970 4,857
昭和45年(1970) 28,947 8,357 1,269 14,844 3,801
昭和60年(1985) 52,020 10,404 942 22,550 3,118
平成17年(2005) 74,392 11,953 799 26,442 1,944
平成21年(2009) 76,455 11,695 809 27,670 1,857
B就業フレーム
古くから木材が集まる地として発展し、西日本最大級の木材専用の港があり、家具の製造などで、全国的に木工のまちとして知られている。また、特産品である「けん玉」発祥の地と言われている。
区分 就業者数(人) 構成比(%)
第一次産業 1,574 2.8
第二次産業 14,384 25.5
第三次産業 39,864 70.8
注:平成17年国勢調査 構成比は、小数点第二位を四捨五入したため、合計が100%とならない。
C廿日市市の由来
厳島が、古来より島全体が神聖な地とされ、神社に仕える人々も生活の本拠地は廿日市にあった。
この廿日市の町が形成されたのは室町時代のことである。廿日市という地名が初めて史料上に登場するのは室町時代の中頃であり、南北朝時代には「佐西の浦」と呼ばれ、神社に仕える人々や参詣者がそこから厳島に渡海したり、参詣の前後に宿泊する場所であったと考えられる。つまり、「佐西の浦」は、厳島と対岸の陸地とを結ぶ窓口として機能していたと考えられる。そしてさらに、全国各地でも数多い「○日市」という地名の中で、「なぜ月に一度しかない20日に市を開くことになったのか」という問いについて秋山伸隆氏(平成9年)によれば、厳島神社では春と秋に法会が盛大に執り行われ、大勢の参詣者が訪れていた。この時、厳島には博多や堺などの遠隔地からも商人が集まり、島内で開かれた市で活発な商業活動が行われた。天正14年(1856年)「厳島社頭掃除之次第」によれば、法会の期間は参詣者が多いので島内の掃除は二一日から行うように定めている。つまり二〇日は、諸国から集まった参詣者や商人が国許へ帰ろうとする頃である。法会期間の最終日に対岸の「佐西の浦」で最後に開かれた市が「廿日市」の起源ではないだろうかと指摘している。
D「廿日市市」行政が定める廿日市市の将来の都市像(平成21年第5次廿日市市総合計画概要版より)
「世界遺産を未来につなぎ、多彩な暮らしと文化を育む都市・はつかいち」
○豊かな地域資源を生かし、世代を超えて多彩な暮らしを育むまち
○世界文化遺産「厳島神社」を擁する宮島を市民共有のシンボルとし、多彩な文化を育むまち
○魅力ある資源を上手につなぎ、市民満足度を高めるまち
E「廿日市市」行政による類似団体比較で挙げられる都市
「廿日市市」行政が類似団体比較・分析を行う地方自治体は、全国36か所である。(総務省HPより)総務省は、人口・産業構造をもとに類似団体の分類を示している。本単元のとりあげる「廿日市市」という都市を、人口・産業をもとに概念規定を行うため、この類似団体類型によって、概念的知識の転移先を選択することは学習後の生徒の変容を図る指標として有効である。この類型によると、広島県内をはじめ中国地方には、類似団体はない。「廿日市市」に最も類似した特性をもつ都市は、大分県別府市である。この大分県別府市を概念的知識の転移先に選択する。なお、上記「廿日市市」の都市類型については、村上雅信氏(廿日市市分権政策部行政経営改革担当企画員)ならびに正木臣治氏(廿日市市分権政策部総合政策課主任)の両氏にご協力を頂いた。
○茨城県取手市 ○埼玉県戸田市 入間市 朝霞市 富士見市 ふじみ野市 ○千葉県我孫子市 ○東京都武蔵野市 昭島市 小金井市  東村山市 国分寺市 多摩市 ○神奈川県海老名市 座間市 ○岐阜県多治見市 ○静岡県三島市 ○三重県 伊勢市 ○滋賀県 草津市 ○大阪府池田市 泉佐野市 富田林市 河内長野市 松原市 箕面市 羽曳野市 ○奈良県橿原市 生駒市 ○広島県廿日市市 ○福岡県 大牟田市 飯塚市 春日市 ○大分県別府市 ○沖縄県 浦添市 沖縄市
6 単元について(生徒観)
(1)生徒の中学校における学習経験
本単元は、地理的分野の最終単元として位置付けられており、生徒は、世界と日本の様々な地域を学習している。歴史的分野では、二学年の後半には「近代の日本と世界」と「現代の日本と世界」を学習している途中である。
(2)生徒の小学校における学習経験
生徒は、小学校三学年に小学校〜中学校の校区内で地図を読み解きながら、観察しどこに何があるのかを公共の施設や土地利用などを中心に確認する。本単元「廿日市市」では、小学校の先生方を中心に、副教材「私たちのまち はつかいち」が作成され、それを児童一人一人に配布し授業を行っている。しかし、実際には児童の校区内の学習にとどまるため、「廿日市市」を概念的にとらえる学習は、総合的な学習で探究するテーマになっていなければ、生徒は初めての経験である。義務教育段階の社会科地理は、地域社会に関する内容ではじまり、身近な地域の調査で終わる。
7 単元について(指導観)
 上記を踏まえて、単元構成し、題材の選択・指導方法の工夫を行った。
二つの単元構成案を以下に示すため、指導観を書き分けたい。
A「生徒に社会的な見方や考え方を育成すること」に力点を置いたもの
B「生徒が地域社会の形成に参画する態度を育成すること」
単元構成案A「生徒に社会的な見方や考え方を育成すること」に力点を置いた「廿日市市」の場合
(1)「廿日市市」の概念規定
 廿日市市とはどのような市であるかに関して、生徒が身につける知識・概念の明確化を図る。以下に示すように、「廿日市市」を規定する「住宅都市」と「国際的観光都市」の二つの都市機能という概念的知識を本単元・身近な地域で獲得させることで、他の都市を見る視点が培われる。詳細は、問いと知識の構造図を参照されたい。では廿日市市とはどのような都市だろうか。教材解釈のため廿日市市市役所の資料分析を行うと、以下の二つの特性を兼ね備えた都市であると言える。
A住宅都市(または衛星都市・ベッドタウン)
住宅都市とは、大都市の周辺にあって、大都市に勤める通勤者などが居住する都市。ベッドタウンともよばれる。
B国際観光都市
国内外から多くの観光客を集客する都市。
  このA・Bの特性を兼ね備えた都市は、広島県内でも類を見ない。広島市や福山市の住宅都市は多いが、国際的な観光都市と言える都市はない。広島市は国際的な観光都市である。しかし広島市は住宅都市ではなく、地方中枢都市であり政令指定都市である。住宅都市であり、国内的な観光都市としては、呉市や尾道市をあげることができるが、国際的な世界文化遺産である宮島を有する「廿日市市」のような国際観光都市ではない。住宅都市である東広島市へ海外からの訪問者は多いが、それは国際的な観光が目的ではなく、広島大学を有する学術的な機能からであると言え、「廿日市市」のもつ特性とは異なる。よって、「廿日市市」は、合併による広域化によって、「廿日市市」内部の地域間における地域機能の差はみられるが、「市」としてとらえるときに、A及びBの特性を合わせ持つ都市であると規定できる。
(2)指導の工夫
@さらに生徒の生活知や常識として「廿日市市」をどのようにとらえているのかをより具体的に説明させるために、「廿日市市」ならではのキャッチフレーズを考える場面を設定する。このキャッチフレーズを生徒が作る過程において、これまで生徒が生活してきた「廿日市市」について『生活知や常識などの主観的な情報を根拠として』説明することができる。また、班ごとに作ったキャッチフレーズを生徒が分類し、比較する活動を取り入れることで、根拠をもとに概念を修正し知識を成長させることができる。さらに、この学習を通して生活知や常識として持っていた「廿日市市」の都市像を生徒は資料を読み解き、新たな見方や考え方を発見する。
A「廿日市市」の類似団体として「大分県別府市」を考察する場面を設定することによって、生徒が獲得した概念的知識の転移を図るとともに、地域的特殊性と一般共通性に気付かせる。
8 単元指導計画A(全11時間)
(1)問題把握
わたしたちが住む「廿日市市」とは一体どのような都市なのだろうか?
@なぜ「廿日市市」は住宅都市と国際観光都市としての機能を兼ね備えた都市といえるのだろうか?
Aなぜ「廿日市市」は住宅都市といえるのだろうか?
Bなぜ「廿日市市」は国際観光都市といえるのだろうか?
(2)仮説の設定
@「廿日市市」が、住宅都市ならば,隣接する大都市広島市へ通勤・通学者が多いはずでる。大都市広島市への通勤・通学を可能にする交通網の整備やまちづくりが行われているはずである。
A「廿日市市」が国際観光都市ならば、市の産業構造に観光が重きを占めており、国内外からの観光客を受け入れるための都市政策を行っているはずである。
(3)仮説の論理的帰結の推論
もし仮説が正しければ、大分市の住宅都市であり、中国や韓国からの観光客が近年増加し、国際観光都市化している大分県別府市にも同じような条件があるはずである。
(4)資料の収集・分析
(5)仮説の検証
(4)・(5)の過程で、本当に仮説が正しいか検証してみよう。

単元構成案B「生徒が地域社会の形成に参画する態度を育成すること」に力点を置いた「廿日市市」の場合
(2)指導の工夫
@授業過程を「廿日市市」のまちづくりに行政の立場から携わっている市役所の職員、とくに都市政策に携わる立場の職員の問題解決的行為の過程を体験・追体験する過程として組織する。
ASOWT分析を用い、廿日市市を分析させる。ただし、中学二年次での学習という発達段階を鑑みて、四つの視点で考察させるのではなく、SとWに分類させる。SWOT分析とは、目標を達成するために意思決定を必要としている組織や個人の、プロジェクトやベンチャービジネスなどにおける、強み(Strengths)、弱み(Weaknesses)、機会(Opportunities)、脅威(Threats)を評価するのに用いられる戦略計画ツールの一つである。アルバート・ハンフリー氏によって構築された。
Bフィールドワークの時間が捻出しにくい現状を踏まえ、冬休み中にインタビュー活動ができるように計画した。「廿日市市」の職員の方にインタビューができるように授業に講師として招聘する計画を行う。
C第一時でAのSW分析をもとに「廿日市市をよりよい市にするためにはどのようにしたらいいだろうか?」というテーマで生徒の生活知や常識をもとに提言をさせる。またこの学習過程を踏まえることによって、「廿日市市」を発展させるためにはどうすればよいかという提言内容が変容すると考える。この最後に生徒が行う提言内容が、「廿日市市」の地域的特色を踏まえることができたかどうか形成的評価の材料とする。そしてこの提言を行う場面において、第三学年で学ぶ地方自治の基礎を培う。
8 単元指導計画B(全11時間)
(1)学習問題の発見
@わたしたちが住む「廿日市市」のために働いている市役所が定めた都市像をみてみる。
Aこの都市像から気づいたことを出し合う。「住むこと」と「観光」に関係していることに気付く。
Bわたしたちが住む「廿日市市」をよりよいまちにしよう!プロジェクトを設定し,プロジェクトチームごとに,SW分析を行う。わたしたちの「廿日市市」はどのような都市としての強みと弱みがあるのだろう?
C強みと弱みをチーム交流する。
Dわたしたちのまち「廿日市市」がよりよいまちになるように働いている市役所の都市政策課の人々は,廿日市市のどのような問題を解決するために取り組んでおられるのだろう?廿日市市にどのような問題があるのか,チームごとに調べる。
A人口問題解決チーム B観光問題解決チーム C自然環境解決チーム D合併後の都市問題解決チーム
(2)学習問題の探求
@廿日市市役所の都市政策課の職員を教室に招き,これまで調べてきたA〜Dの問題について各チームの発表を行う。市役所の方に,現在の廿日市市の抱える問題やその問題を解決するために,都市政策課がどのような仕事をしているのかについてのプレゼンテーションを行って頂く。その際,生徒は自分たちが調べた問題の解決にむけて何が必要かを学ぶ。
(3)総合的表現
@廿日市市をよりよいまちにするためにはどうすればいいのかという意見をパンフレットや新聞・意見書などわかりやすくまとめ,市長に提言を行う。

3 二つの学習指導案にみられる良さとは

A案の場合

(1)「廿日市市」という都市を規定する「住宅都市」・「国際観光都市」という概念(見方や考え方・理論)を生徒が獲得し、その知識を活用して他の都市を演繹的に検証することによって生徒の知識を累積的に成長させることができる。仮にこの授業を受けた後、廿日市市以外の都市に居住することに生徒がなったとしても、見方や考え方が養われた学習の価値は、生徒から失われない。
(2)今回の学習指導要領の改訂で、これまで多くの学校が一学年の中旬に実施してきた本単元が、中学校地理的分野の最後に位置付けられた。このことによって、本単元までに地理的分野で生徒が学んできた、特に動態地誌的な学習がいかされる学習になっている。

B案の場合

(1)生徒の自主的な学習を保障できる。つまりお寿司屋のテーブルで、出てくるお寿司をただ待つだけというように、出される資料を読み解いていくだけではなく、自ら(または自らのプロジェクトチーム)の問題解決のために資料を読み解くという学習が可能になる。廿日市市役所の都市政策課の方の働き(問題解決)を追体験することによって、生徒は共感的に学習内容を理解することができる。
(2)公民的分野の地方自治に関する単元へと結び付けていくのに効果的である。「よりよいまち」にするためにはどのような問題を解決する必要があるのかを理解することができる。それらの問題を具体的に解決するために市政にどのように関わることができるのかなどの、民主的な手続きを行うことができるのかという公民的分野に本単元の学習をいかしやすい。

4 二つの学習指導案にみられる良さを取り入れた単元構成案C




学習内容及び活動 評価規準 評価方法
1 SW分析に基づいて、廿日市市をよりよい都市にするのはどうすればいいかを考える。廿日市市が抱える問題を生徒自身は発見する。       ア−1) SW分析に基づいて、廿日市市をよりよい都市にするのはどうすればいいかを考える。廿日市市が抱える問題を生徒自身は発見する。 授業観察
ワークシート
2 「廿日市市」にキャッチフレーズキャッチフレーズをつけてみよう!根拠をもとに発表する。       ア−1) キャッチフレーズづくりを通して、身近な地域「廿日市市」の特色を意欲的にとらえようとしている。 授業観察
ワークシート
3 「廿日市市」につけたキャッチフレーズの分類し、検証@「『なぜ』みつけ1として人口動態を考察する」       イ−1) キャッチフレーズを分類し、廿日市市は、昭和55年・平成2年に急激な人口増加がみられる理由をニュータウン建設と人口増加との関係で考察している。 授業観察
ワークシート
4 検証A人口動態「『なぜ』みつけ2常住人口と昼間人口の変化や地価の広島市との比較から住宅都市の特色を理解する。」       イ−2) 廿日市市の常住人口と昼間人口の変化から、住宅都市の特色に気付いている。 授業観察
ワークシート
5 検証B人口と交通網「『なぜ』みつけ3ニュータウン建設と交通整備との関係から住宅都市の特色を理解する。」       ウ−1) 廿日市市は、昭和55年・平成2年以降急激に交通(バイパス・広島南道路・駅)が整備されたのはなぜかをニュータウン建設との関係から考察し、分布図の作成を通して住宅都市の特色に気付く。 授業観察
ワークシート
6 検証C観光資源と歴史的背景「『なぜ』みつけ4観光資源と歴史的背景」廿日市市になぜ観光客が集まるのか考える。       イ−1) 廿日市市は、可視的な史料によると中世以降から観光資源があり、宮島が世界文化遺産に登録されてからますます国内外からの観光客を集客する都市になったことを理解している。またアジアからの観光客の増加の背景に、アジア各国の経済成長が要因としてあげられるとこに気付いている。 授業観察
ワークシート
7 検証D観光地と交通網の整備「『なぜ』みつけ5国際観光都市である廿日市市は、宮島口の交通網の整備を進めているのか」考える。       イ−1) なぜ、廿日市市は宮島口の交通面の整備を総合的に推進しているのかを考察し、交通アクセスの問題など廿日市市が抱える問題に気付いている。 授業観察
ワークシート
8 検証E「ツアーニーズの多様化と合併による広域化への手立て」廿日市市総合政策課の方へインタビューしてみよう。廿日市市総合政策課の方の働きを通して、よりよいまちにするにはどうすればいいかを学ぼう。       ア−2) 廿日市市総合政策課の方にインタビューを行い、廿日市市は、エコツーリズムを推進地域ゾーイングを行っていることを理解し、廿日市市の発展のためには何が必要であるか意欲的に情報収集を行っている。 授業観察
ワークシート
9 検証F[観察・調査]
廿日市市が「国際観光都市」や「住宅都市」である根拠となる写真を撮影にいく。
      エ−2) これまでに学習してきた人口・交通・観光・歴史などの検証内容を実際に校区内を中心に意欲的に見付けることができる。 授業観察
ワークシート
10 検証G[別府市とくらべてみよう]
別府市の諸資料から、廿日市市との類似点や相違点をみつけることができる。
      エ−1) 発見した概念的知識「住宅都市」「国際観光都市」の特性を踏まえて、類似団体「別府市」を考察している。別府市は、大分市の住宅都市として、住宅が増えていった点や、近年、アジアからの観光客が増加傾向にある資料を読み解き、廿日市市の特性を別府市の特性の中に見付ける。 授業観察
ワークシート
11 身近な地域「廿日市市」がよりよい都市になるにはどうしたらいいかを廿日市市長へ提言しよう       ウ−2) 発見した概念的知識「住宅都市」「国際観光都市」を踏まえて、身近な地域「廿日市市」がよりよい都市になるにはどうすればいいか、地域社会に参画する一市民として意欲的に考察し、提言している。 授業観察
ワークシート

[問いの構造図「身近な地域の調査 廿日市市の場合」]


[知識の構造図「身近な地域の調査 廿日市市の場合」]

IV おわりに

本小論では、中学校社会科の領域で、授業力のある教師の授業とはどのようなものであるかを、授業構成の論理から、題材を地理的分野の単元身近な地域の調査を一例に考えてきた。その際、これまでの本単元の実践上の課題を浮き彫りにした上で、A「生徒に社会的な見方や考え方を育成すること」に力点を置いたもの、B「生徒が地域社会の形成に参画する態度を育成すること」に力点を置いたものの二つの単元構成案を提案し、A・B両者の良さを兼ね備えた単元構成案Cを提案した。

本小論の結語として、中学校社会科教師の授業力を次のように提案したい。

授業を行う際に教師に求められる力を授業力とするならば、この授業力を規定するのには、様々な要素が含まれる。しかし、まずもって教師が生徒のために自らの授業を振り返り、的確に分析するためにも、どのような授業構成の論理によって意図的に授業をつくっているのを理解し計画し、実際に授業を行い、それを分析できる力だと考える。この力を磨くためには、日本の社会科教育学の歴史が始まって以来、優れた先達が築いてこられた様々な視点からの研究の成果を学ぶことは当然のことながら、我々現場の教師は、様々な授業構成の論理があることを知り、新しく構築できるのであれば理論として提案し、それぞれの授業構成の論理のすばらしさを授業の中に取り入れることが大切であると考える。

換言すると、授業構成を考える際に、単元の特色やねらいを十分に吟味し、どの論理にたって授業を構成すれば生徒に目指す力を養うことができるかを選択・判断し、授業の有効性を考えることと言える。

中学校社会科の他の分野に関しても同様に、上記のようなプロセスを通して、各単元の授業構成を考えていき、最終的に中学校三年間を通して、系統的にどのような授業構成の論理で各単元を構成していけばよいのかを考えていくことが重要である。

おわりに、本小論の残された課題として二つあげたい。

一つは、上記に述べたように、学習指導要領及び解説に示された配列で、中学校三年間で各単元をどのような授業構成の論理で授業を行っていくのかという細案の提示である。

二つは、授業力のある教師や授業をより科学的に分析できるようにすることである。

突き詰めると、授業力を科学的に分析することはそもそもできるのか否かの解明である。

本小論では、中学校社会科教師の授業力を、「生徒のために自らの授業を振り返り、的確に分析するためにも、どのような授業構成の論理によって意図的に授業をつくっているのかが分かり、実際に授業を行い、それを分析できる力」だとした。中央教育審議会答申(平成21年)が示す優れた教師の条件の具体例では「子ども理解力、児童・生徒指導力、集団指導の力、学級作りの力、学習指導・授業作りの力、教材解釈の力」と書かれているが、仮にこれら一つ一つが授業力の指標であると考えるならば、まずそれぞれの力を何の結果で証明できるのか。そもそも教育の世界では短期的な結果を求めることがそぐわない領域もあるので、証明しようとすること自体が無理なのか。仮に何らかの基準でそれぞれの力を科学的に証明できた時に、それぞれの力は相関関係があるのか否か。総合的にそれぞれの力が高い時に、授業力が高いと言えるのか。それぞれの証明ができた時に、当事者である生徒の授業に対する願いとかけ離れていないか。授業力を生徒の意識調査結果を加味するならば、どの割合で加味すればいいのか。意識調査は科学的調査と言えるのか。など大きな課題である。

生徒にとって授業が有意義なものになるためにも、これからも社会科教育学の研究の動向に学ぶことは勿論のことながら、認知心理学・認知科学など様々な研究の動向についても学び、分析を進めたい。


【引用文献】
1)森分孝治(2000):「社会的なものの見方考え方の拡大・深化・体系化」『学校教育』学校教育研究会2000 No.1000
2)森分孝治(1997):『社会科における思考力の基本原則─形式主義・活動主義的偏向の克服のために─』全国社会科教育学会 「社会科研究」第47号1997
3)日本大辞典刊行会(1974):『日本国語大辞典第十二巻』株式会社小学館
4)同上1)
5)同上2)
6)森分孝治(1984):『現代社会科授業理論』明治図書
7)社会系教科教育研究会(1995):『社会系教科教育の理論と実践』清水書院

【参考文献】
1)森分孝治(1978):『社会科授業構成の理論と方法』明治図書
2)中央教育審議会答申(平成21):「新しい時代における義務教育の在り方について(審議のまとめ)第・部各論第2章教師に対する揺るぎない信頼を確立する─教師の質の向上─(1)あるべき教師像の明示」
3)中央教育審議会答申(平成20年)
4)国立教育政策研究所(2003):「平成15年度教育課程実施状況調査教科分析と改善点(中学校社会)」国立教育政策研究所
5)文部科学省(平成20):『中学校学習指導要領社会編』
6)文部科学省(平成20):『中学校学習指導要領(平成20年9月)解説社会編』日本文教出版株式会社
7)森分孝治・片上宗二編(2000)『社会科重要用語300の基礎知識』明治図書
8)文部科学省:「読解力向上に関する指導資料(案)」
9)森分孝治(2001):『市民的資質育成における社会科教育─合理的意思決定─』社会系教科教育学会「社会系教科教育学研究」第13号2001
10)小原友行:『社会科探求学習における教材構成─B.G.マシャラスの場合─』中国四国教育学会「教育学研究紀要」第21巻
11)国立教育政策研究所編(2005):「アンドレア・シュライヒャーOECD教育局指標分析課長講演会 OECD−PISA調査から見る日本の教育」国立教育政策研究所
12)財団法人日本教材文化財団(平成20)『思考力・判断力を問う中学校社会科テスト問題の開発研究』
13)広島県教育委員会(平成21):『広島県教育資料』
14)廿日市市(平成21):『第5次廿日市市総合計画概要版』広島県廿日市市(総務部企画調整課)
15)廿日市市(平成9):『図説 廿日市の歴史』廿日市市
16)廿日市市教育委員会及び廿日市市小学校社会科副読本編集委員会(平成19):『わたしたちのまち はつかいち』
17)矢作弘・小泉秀樹(2005):『シリーズ都市再生3 定住型都市への模索 地方都市の苦闘』日本経論済評論社
18)第38回広島県中学校社会科研究大会(西部大会)発表資料
19)A.L.ブラウン(1984):『メタ認知〜認知についての知識〜ライブラリ教育方法の心理学2』サイエンス社
20)山田浩之・徳岡一幸編(2007):『地域経済学入門(新版)』有斐閣

【謝辞】

単元・身近な地域の調査「廿日市市の場合」を構成するにあたり、廿日市市役所・別府市役所のご協力を得た。ここに謝意を表したい。